2010年10月30日土曜日

静かな臨界の作用

続いてNAP2010グループ展より、9人目のご紹介最後の作品は、

「光の臨界」



中橋祥行氏による発砲スチロールと接着剤を使って制作された作品です。

物体の内部からの光の漏れによって見えてくるカタチは、外から照らし出された時よりも、その形態の特徴が知覚されやすくなります。






内側からのエネルギーの臨界によって照らし出された形態。

観るものに荘厳な印象を与えます。





昼と夜では同じ場所の雰囲気も違って見えてくるように、
普段の風景も、太陽の光で照らされている時と建物等の内部からの光によって照らし出される時とでは、同じもののはずなのに印象が変わってきます。

内面からの輝き。

土地も人も、内側からのエネルギーを感じさせることによってその特徴と魅力が浮かび上がります。


「ザ・great 盆地 フロンティア」
その精神によって今回奈良アートプロムに集まった200名を越える作家達のエネルギー。


その一つ一つが奈良盆地の発する内側の輝き、そして瞬きとして集結していました。

その内側からの光はどのような奈良を浮かび上がらせたのでしょうか。

産業や観光とはまたひと味違う奈良の表情が映し出されたことを願います。



奈良を照らす明かりの一つとして、
現代美術という照明を、
来場者だけではなく近隣住民の皆様がなんだか気に入ってくれていた様子が印象的でした。

NAPにとってもかけがえのない財産となりました。


今回ビルを提供して頂いたカイナラタクシー様、
本当にありがとうございました。





(中橋氏によるカイナラビル屋上でのインスタレーション)







中橋 祥行 (なかはし よしゆき)


タイトル
『 光の臨界 』
発泡スチロール、蛍光灯

コンセプト
物を観察する時、外部からの光によってその本質を見極めようとします。
しかし内部(外部との閉鎖的な空間)から光を照らすことにより透過・反射して見える光は同じものでありながら全く違った印象になりその要素や特徴をより強調し新たな空間へと変化します。
箱の内の空間・外の空間・それを繋ぐ光との関係がテーマにある境界を越えていく力、また外に出て見えてくるもの、との言葉と呼応し作品の印象と重なり合うように思います。
    ■略歴:
  • 1997年 御堂筋ギャラリー展
  • 1998年 御堂筋ギャラリー展
  • 2000年 茂展
  • 2001年 茂展
  • 2002年 茂展
  • 2003年 茂展
  • 2004年 茂展
  • 2005年 茂展 からほりまちアート
  • 2006年 からほりまちアート 現展
  • 2007年 からほりまちアート 現展
  • 2008年 からほりまちアート 現展  個展(天籟宮)
  • 2009年 からほりまちアート 現展
作品画像_中橋祥行-01
作品画像_中橋祥行-02