2010年10月20日水曜日

発芽 カイナラビルグループ展より(続き)

NAPグループ展、続いてのご紹介は藤川奈苗氏による平面作品。

会場となったカイナラビルは、築50年余のレトロな建物です。

藤川氏の作品を覗いてみると、




まるで壁を耕したかのような画面。



そこには、その土壌のもつ可能性と希望。


そして作家の感性によって蒔かれた種が吸収すべく栄養素。

作品の前に立つと、その発芽を待つ感覚を共有できる時間が流れていました。


「ザ・great 盆地 フロンティア」

今回NAP2010の第一回目の開催にあたってのキャッチフレーズです。

今回参加作家、実行委員がとても大切にしてきたテーマ。

「寧楽」、その根底にある確かな豊かさ。

手入れは必要ですが、この土地で蒔かれた現代美術という種は確かに発芽しています。

時々は水を、たまには肥料を与えるのは、鑑賞者なのかもしれません。

そしてそこに住む人々。


NAP ツカヤマ



藤川 奈苗 (ふじかわ ななえ)

1980年 大阪府生まれ
2003年 京都造形芸術大学洋画コース卒業

タイトル
『 The small room 』
平面/絵画 カンヴァスに油彩

コンセプト
家の近くの島のような古墳の森にひかれ、
その下にある小さな部屋と自分の心の奥の部屋とを重ね、
記憶の壁を制作してきた。
今回NAPグループ展にあたり、
長い年月を経た石壁のすき間から植物が芽生えるように、
私の中でも昔と今現在の記憶を通して生まれてくるものが成長して部屋からあふれ、
古墳のように上部に豊かな森をつくるような、
内なるエネルギーを蓄えたものを描きたい。
    ■個展:
  • 2004年 Gallery Den (大阪)
  • 2006年 Gallery Den (大阪)
  • 2009年 ギャラリー白 (大阪)
    ■グループ展:
  • 2003年 ART UNIV 大学合同展覧会 (キャンパスプラザ京都)
  • 2004年 Visual sensation (Gallery Den)
  • 2010年 SUPER PAINTINGS VOL.2 (ギャラリー白)

タイトル:西/2009年制作
タイトル:つきあたりの部屋/2010年制作