2010年10月23日土曜日

印象、心象、観賞 

作品を見た際に受ける印象は人によっても様々ですが、その佇まいやタイトルなど、観賞者は手がかりを意識します。

現代美術のジャンルにはNO TITLEというタイトルも多く存在しますが、NAP2010
グループ展より今回ご紹介する作品は、





「手紙」。



手がかりとなるのは日常の記憶。

と、

私たちが普段通り過ぎている風景の一部、

をまるで切り取ったかのような。




見る人の心の温度を揺さぶる作品は体温との差が大きいものとは限りません。




血液が流れ水分が巡っている私たちのからだ。
その温度と近い作品ではないでしょうか。




noil noir (ノイル ノワール)


タイトル
『 ~手紙~ 』
立体インスタレーション(木製パネル、布)

基本コンセプト
奈良には、海も湖も大きな河も無い。あるのはため池ばかり。
水の流れのないことは、時間の流れを人々に感じさせなくなる。
時間が止まってしまったのではないかと思うほど、変化のない街は不気味。
水の流れをつくることは、時の流れ、人の流れ、文化の流れ、気の流れ、を創ることに繋がっていくだろう。
そして、それは私たちの心を整理し清らかにしてくれるはずだ。

展示コンセプト
この地(奈良)の過去 現在、未来へむけて、手紙を書く。
過去への手紙は、夕陽が沈む時に灰になるまで燃やし西の風に託す。
現在への手紙は、正午の時に大地に託す。
未来への手紙は、朝陽が昇る時に灰になるまで燃やし東の風に託す。
この儀式を再現したものを、展示しようと考えます。
作品画像_noil_noir-01
作品画像_noil_noir-02