2011年10月26日水曜日

@カイナラタクシー綿町ビル

NARA映像コテンパンダン展 in ならまち、回想録。
いよいよ20箇所目となりました。
最後にご紹介する会場は、
カイナラタクシー綿町ビルでの展示です。



昨年の奈良アートプロム2010でも展示会場となった、
NAPにとっても愛着のある建物。
今回はビル内全体を遮光して8作家10作品の上映となりました。



まずは1Fスペースから。





やまもとひさよ「La vie en Rose」
主に写真家として活動するやまもとひさよが挑戦した初の映像作品。ヌーベルバーグ的手法の影響下、パッチワーク的編集とコスプレで、自身が抱える種々のコンプレックスを吐露しつつ、2011年現在の等身大のセルフポートレイトになっている。







品川亮 「電柱男」
知り合いの雑誌編集者から、奇妙なビデオが送られてきた。東京湾岸に点在する「怪談スポット」を取材したときに、記録用として自ら撮影したものだという。
どう見ても奇妙なものが映っているので、今回はその知人の許可を得て、みなさまのお目にかけることにした。(品川亮/映画作家)






2Fスペース



大橋勝「Video Paintings」
3面の映像プロジェクションによる空間構成。
抽象と具象の間をゆらめく映像を変化する絵画に見立て、色彩とリズムの組み合わせを考慮した展示。一つのインスタレーションとして提示する作品。











前田剛志「七十二候」
七十二候とは1年を72の季節で表す方式で、各名称は気象の動きや動植物の変化を知らせる短文になっている。今回の作品では、「涼風至」「寒蝉鳴」「蒙霧升降」の3つの候を取り上げ、作家の手による立体造形と有機的なエレメントを組み合わせて映像化。小さなモニター3台によるインスタレーション。













吉岡俊直「道しるべ3 Guidepost 3」
コンピュータグラフィックと実写をミックスさせた観念的作風で知られる映像作家:吉岡俊直の最新作。あるマンションの部屋の中で、アルプスの山の様な白い物体が時間をかけて回転し続ける。常に「自然の脅威」を根底のテーマに据え制作して来た作者の、時機を得た、美しくも不思議な作品になっている。











平川祐樹「ささやきの奥に」
名古屋を拠点に活躍する平川祐樹の映像作品。都会に暮らす人間の不安や焦燥をテーマに、美しいモノクロームのシンボリックな場面が鑑賞者の目を奪う。
鑑賞者は映像の中に引きずり込まれ、過去も未来も不明確な、分断されてしまった物語の住人になり、不気味な予兆をそこに見いだす事になる。






3Fスペース



森村誠「冤罪 { en-zai } 」
「冤罪」(濡れ衣)の原因を、違った角度から捉えようと試みた作品。イギリスでの留学を機にコンセプチュアルな作品を多岐にわたり手がける作家の映像作品。







土屋貴史/TAKCOM  「With Rain」


    
インクの滴から始まる黒と白の世界が欲望を描き交錯する。



土屋貴史/TAKCOM「ulum」
現実とは似て非なる地球の風景が再構築され新たな時間や風景がたち現れる。




 
土屋貴史/TAKCOM「Pico」
生命を与えられた音と映像が織りなす有機的な世界を表現。


国際的に活躍する映像作家土屋貴史の3作品。いずれも哲学的な要素がちりばめられた映像作品。














約20年間放置状態だったこのレトロビル。
一棟まるごと現代美術作品が展示できる貴重な場所となっています。



昨年の展示の様子はこちらをご覧下さい。
http://nara-art-prom.blogspot.com/2010/10/blog-post_14.html

http://nara-art-prom.blogspot.com/2010/10/blog-post_23.html