2011年10月3日月曜日

@ならまち格子の家、@ならまち振興館

NARA映像コテンパンダン展、
引き続き会期中の展示、会場をご紹介します。
奈良市元興寺町に位置する、ならまち格子の家
昔の奈良の町家での生活様式が伺える建物です。
作品の上映展示は2階スペースを使用させていただきました。


竹内邦晶「着想と失敗」

 水を張ったコップに水滴が落ち続ける20分間のループ映像作品です。大きく揺らぎつつも、表面張力を保ったまま決して溢れないコップの水面に思わず見入ってしまいます。数分に一度、指輪やトランプなどが落下して、同様にコップの水をこぼす事なくふたたび静寂を取り戻す。水面現象の「おかしみ」と「もどかしさ」を主題にした哲学的深みのある作品です。

続いては、ならまち格子の家から徒歩3分ほどの場所に位置する、ならまち振興館。大正初期に、当時奈良の特産であった蚊帳生地の製造業を営む、商家の分家として建てられ、戦後は医院としても利用されていました。
2階の応接室での展示の様子。


擬態美術協会/GITAI ART UNION「PAN ART - 97」「ハチ公で待ち合わせ」

擬態美術協会はそれ自体を作品と考え結成され、以後パフォーマンスやインスタレーションといった形で現代美術作品を発表し続けています。
今回は1995年、渋谷ハチ公像を泡で包み洗うパフォーマンスを収めた映像と、1997年よりの,路上の車線(破線)にハサミのシートを設置し、地上にキリトリ線の風景をつくる行為を行った現場を作家自身が記録した映像、2作品を交互に上映しました。

ならまち格子の家、ならまち振興館は、ならまち散策中の観光客のほとんどが訪れる人気のスポットです。歴史的な建築物の中で思いがけない映像アート作品との出会い。
2つのスポットを結ぶ道の途中では、こんな光景が。



“いつもと違ういつもの奈良”を体感していただける機会となったのではないでしょうか。